旅の醍醐味は、新しい体験と初めて出会う物語の数々です。風光明媚な景色に目を奪われたり、初めて体験する出来事や、歴史との出会い。日常の生活にはない刺激の数々が待っています。そして旅に欠かせないのがお土産です。渡したい相手を思い浮かべ、お土産を求めるのは悩ましくも楽しいひと時ですよね。

福岡のような有名な観光地ともなれば、たくさんのお土産があり、何を渡そうか悩んでしまうことも多々あります。そこで今回は福岡で思わず人に話したくなる、知る人ぞ知るとっておきのお土産を、そのストーリーと共にご紹介していきます。 

福岡空港から車で1時間ほど走らせると川と緑に囲まれた八女市にたどり着きます。八女市は農芸都市で風光明媚な場所。特に古くからお茶好きさんに好まれた手摘み玉露や旨味の強い煎茶などの産地として知られています。八女の茶畑があるなだらかな山の斜面は霧が発生しやすく、太陽光を適度に遮ってくれるため、お茶の旨味成分であるアミノ酸類の生成がしやすくなるのです。

福岡の八女茶はお土産にもおすすめで、県内のお茶屋さんやお土産やさんなどでも手に入ります。その中でも注目したいのはお茶の中でも自然仕立ての茶園で手摘みをする「伝統本玉露」。八女市はその生産量、茶の平均単価の高さでも日本を代表する産地として知られています。お茶を買うだけでなく、実際に足を運ぶことでできる新しい体験を紹介しましょう。それが「お茶のフルコース」です。

今や福岡／博多の名物食品として知られる「辛子明太子」は、「ふくや」の創業者である川原俊夫氏が1949年に博多（中洲）で販売したのがきっかけと言われています。元は韓国の料理であるスケトウダラの卵巣のキムチで、それをアレンジしたものです。 当時は地元で愛されるご当地メニューでしたが、1975年に山陽新幹線が博多駅までつながったことで多くの人が知ることになりました。その後は新幹線の駅や全国の百貨店などで販売されるようになり、全国的に知られるようになったのです。福岡では、明太子ブランドはたくさんあるので、ふくやの明太子をベースに味比べをして自分の好みを見つけるのもおすすめです。

ふくやの「味の明太子」は良質な原料だからできるシンプルな味付けで、たらこの旨味と唐辛子の香りが引き立つ現在の辛子明太子の基本の味です。

日本で初めて味付き家庭用ティーバッグだし「ふりだし」を発売した丸三食品は、福岡／博多に本社を構えます。この丸三食品の「あじつゆ」は福岡県民定番商品の1つとも言われています。カツオや昆布をベースに、椎茸やむろあじを加えてだしをとり、複数の醤油をブレンドした濃厚万能だしつゆで、そのままで醤油代わりに使えるだけでなく、お水でうすめて麺つゆにしたり、煮付けや丼もののつゆなどに使えます。

お土産といえば、帰りがけに空港や駅前で買うものと思われるかもしれませんが、モノだけでなく、今回ご紹介したように例えばご自身が体験した出来事や、初めて知ったストーリーをお土産と一緒に手渡されてはどうでしょうか？　品物だけではなく、あなたの驚きや発見も伝えることで、旅の印象をこれまで以上に色濃く伝えることができるかもしれません。