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時代を読む、未来を開く
ーニューノーマル時代のビジネスを生き抜くヒントー

経営評論家 坂口孝則氏コラム 

国際ジャーナリスト モーリー・ロバートソン氏コラム
「ポスト・パンデミックを見据えた今後の展望」​

 

人権・環境・格差すべてがつながっている

アメリカはパンデミックによって大きなダメージを受けましたが、もの凄いスピードでリカバリーをしました。ワクチン接種ツアーでインバウンド需要を狙うなど、転んでもただでは起きない逞しいサバイバルスキルに、明るい兆しを見た人もいるでしょう。しかし、同時にそれはグローバル経済が引き起こした人権・環境・格差の問題を、さらに加速させるのではないかという懸念も生み出しました。“Butterfly effect”といって、遠くの国の小さな羽ばたきが、世界をめぐって自国に大きなハリケーン被害をもたらすように、人権軽視の他国の労働力に環境コストの負荷をかけ、それが自国の賃金にも影響しギグワーカーを増やして格差を生む。このような新自由主義の歪みがすべて、人権・環境・格差の問題となってつながることに失望を感じるようになりました。

一過性のショックとみるか、これからの時代の象徴とみるか

これらは短期的ベネフィットを追求する構造から生まれた問題であり、大きなツケです。以前のように、自国だけがハッピーでいられる経済理論はもはや通用しなくなっているのですから、「誰かにツケを回す」のではなく「自らツケを引き受ける」という、「謙虚さ」が求められる時代だと思います。実際にツケを負わされるZ世代の若者たちは、人権・環境・格差の問題に非常に敏感に反応し、消費行動をはじめ自らアクションしています。この災禍を一過性のショックとみるか、これからの時代の象徴とみるかの捉え方が、この先の明暗を分かつはず。超格差社会の国への依存構造が、この先も様々な問題を引き起こす可能性があると捉えれば、大きく舵をきることができます。地球規模の長期タームの視点にたつことが、様々な問題解決の糸口となり、そこにこそビジネスチャンスがあると思います。

ニューノーマルより難しいニューコンセンサス

リモートワークなどの新しい働き方も日常になりつつあり、以前のような出社スタイルに戻すべきかどうか迷われている経営者も多いと聞きます。リモートでも業績を上げられる人は人事評価のソリューションを求めていて、彼らのモチベーションが上がることで会社の業績が上がれば、十分な起爆剤であると言えるでしょう。新しい取り組みには大抵長短があるものですが、その判断で大切なことも「謙虚さ」だと思います。なぜならニューノーマルを受け入れられても、皆が納得いくような新しいコンセンサス(合意)を得ることは、非常に難しいからです。トップの方には、単純な平等では解決できない問題に対して「謙虚さ」と「変わる勇気」をもって臨んでほしいです。

モーリー・ロバートソン

モーリー・ロバートソン氏

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多彩な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時に合格。1988年ハーバード大学卒業。「情熱大陸」でフィーチャーされる。現在、NHK総合「所さん大変ですよ!」日本テレビ「スッキリ」等の番組レギュラー出演するなど、多種メディアでも活躍中。