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  ーニューノーマル時代のビジネスを生き抜くヒントー 

経営評論家 坂口孝則氏コラム 

経営評論家 坂口孝則氏コラム
「支出の改善は“見える化” がカギ」​

 

「あなたの会社の銀行口座に、今いくら入っていますか?」

私は職業柄、個人や企業の蓄財について相談を受けるケースがあります。ただ、このように質問したときに、1円単位で答えられる人は稀です。実はこれ、奇妙な話だと思います。お金を預貯金したいのに、現実の値がわかっていないからです。
たまに「ほとんどお金はありません」と教えてくれる人もいます。しかし、ほんとうに残高は0円なのでしょうか。無一文といっても、実際に、口座がちょうど0円になる可能性は低いと思います。さらに面白いのは、裕福な人ほど細かく口座残高を答えることができる点です。お金に悩んでいる経営者ほど、現状の口座残高を正確に答えることができない場合が多いのです。

支出の「見える化」で効果のある節約を

実は、その理由は明確です。支出や残高を「見える化」しているかどうかの違いです。私は、よく支出額の改善について「見える化」すれば問題の大半は終わると伝えています。なぜならば、どの支出項目が多いのか検証もせず、現状を把握できていないまま、やみくもに支出を減らそうとする人が多いからです。たとえば備品消耗品費や接待交際費など分かりやすい経費を削減しようという企業は多いものです。しかし、それらの支出比率は問題視すべきでしょうか。

支出金額が大きな順番から並べて、支出の必要性を把握する手法をABC分析(重み付け分析)と呼びます。しかし、訊いてみるとこれら分析を実施している中小企業はほとんどありません。なんとなくの感覚です。一方で、優良企業は分析を徹底しているのです。

ビジネス・カードを有効活用

そこで簡単に実施できるのは、経費支出を一元化することです。せっかくビジネス・カードを持っているのですから、それを活用しない手はないでしょう。今、ビジネス・カードは様々な経費支払いができるようになってきていますので、あらゆる経費はカードに集約できます。つまり、日々の支出を明細書上で簡単に視覚化できるのです。会計ソフトと連携できるサービスなどを活用すれば、支出データも統一され、何よりも集計する手間が省けるようでかなり効率的です。
さらに付加価値があります。ビジネス・カードを社員に持たせることで、出張費の立て替えや精算業務が軽減されます。キャッシュレス決済にも対応しているため、大きな利点と言えます。そして、カード利用毎にポイントが還元されるようになります。これは、新たな企業活動の資金のようなもの。これまで単なる経費支出だったものがポイントを活用することで、事業投資の源泉に代わるという考え方もできます。
また、ビジネス・カードを保有することで、経営者や社員の倫理観も高まる気がします。カードで経費精算すれば、どこで誰が経費を使用したのかが会社や社員に共有されます。領収書でごまかすことはできません。自分が使おうとする費用は会社に資するものなのか。まさに透明化です。私たちは「見える化」によって支出を改善できます。まずは、現在支払いが発生している経費の中で、何をカードで支払えるのかを検討してみることから始めるのも、有効な手段だと思います。

モーリー・ロバートソン

坂口 孝則氏

大学卒業後、メーカーの調達部門に配属される。調達・購買、原価企画を担当。バイヤーとして担当したの200社以上。コスト削減、原価、仕入れ等の専門家としてテレビ、ラジオ等でも活躍。企業での講演も行う。