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経営のための“税務のヒント”

ビジネスを進める中で浮かんでくる様々な税務の質問に、専門家がお答えします。

【第1回】個人事業主としてインターネット販売に挑戦したい

 

情報通信機器の発達や新しい生活様式の浸透によって、インターネット販売に取り組む個人事業主の方が増えています。そこで気になるのは、インターネット販売を行う際の会計処理の基本や簡素化するノウハウではないでしょうか。今回は「インターネット販売における帳簿付けと税務処理」をテーマに、税理士の中村太郎氏にお話を伺いました。

■「インターネットで販売をする時の帳簿の付け方は?」

 

■「販売した時、売上計上のタイミングはいつ?」

 

■「既存ECモール、自社ウェブサイト、販売場所で会計処理は異なる?」

動画(7'21")    

「インターネットで販売をする時の帳簿の付け方は?」

 


扱う商品が「ハード」か「ソフト」か

 

取り扱う商品が、どのようなものであっても「単価・販売個数・販売金額・販売日・請求先(名称)・売り先の住所など」を記載する必要があります。

 

次に、扱う商品によって異なる事項を説明します。

扱う商品が、洋服や雑貨などの形のある「ハード」である場合は仕入れが生じますから、帳簿には仕入れに関する情報と販売した商品をひも付けして記帳する必要があります。

 

一方、各種サービスなど形のない「ソフト」を販売する場合は、仕入れがないため、仕入れに関する項目は必要ありません。扱う商品がハードの場合もソフトの場合も帳簿は同じですが、仕入れに関する項目に違いがあるのです。

クラウド会計ソフトで「帳簿付け」を簡略化

 

では、「ハード」を扱う際の「仕入れの帳簿付け」を簡単にする方法についてですが、例えば、クラウド会計ソフトを使えば、請求書の送付項目や仕入れの自動入力ができるため、帳簿付けを簡略化することができます。帳簿付けに手間がかからない分、本来業務に専念できるというメリットがあります。

ちなみに、帳簿の仕方に関する情報は、国税庁のウェブサイトで「帳簿の記帳のしかた/事業所得者用(ダウンロードはこちら)」が掲載されていますから、参考にしてください。

「販売した時、売上計上のタイミングはいつ?」

 


売上と入金の年またぎは要注意

 

個人事業の会計処理は、1月1日から12月31日の1年間が原則となっており、これを「会計期間」といい、会計期間の適正な損益計算を行うことを「期間帰属」といいます。

 

ここで、注意すべきことが1点あります。それは、2020年12月31日にECモールで商品を販売したときの入金が2021年1月の場合は、どのように会計処理をすべきなのかということです。

 

ECモールで12月31日に販売し、入金が年を越した2021年1月の場合でも2020年の売上に計上します。これを「発生主義」といいます。

「発生主義」は、仕入れに関しても同様で、仕入れた日よりも支払い日が後になったとしても、仕入れた日で会計処理を行います。

「発生主義」で会計処理を行うと、販売した時点で、仕訳項目「売掛金」が経ち、入金があった時点で、再度、会計処理を行う必要があり、一つの取り引きに、手間が2回掛かることになりますが、適正な期間損益の把握ができます。

青色申告事業者の特例「現金主義」

 

また、「発生主義」に対して「現金主義」があります。

「現金主義」とは、収入と支出があった時点で会計処理を行う方法です。

「現金主義」で会計処理を行うと、入金があった時点で売上を計上すれば良いため、「売掛金」の仕訳項目が必要なく、処理の手間が省けるというメリットがあります。

ところが、「現金主義」は、棚卸資産や機械、建物といった固定設備が存在しないことになるなど、「発生主義」に比べて正確な期間損益計算を行うことができません。

また、「現金主義」と「発生主義」は、利益調整を防ぐために、事業主の都合で短期間のスパンでは変更できません。

 

ネット販売を始めるにあたって、「現金主義」で会計をしたいと考える方のために、同主義が利用できる対象事業者の2つの条件をご紹介します。

1.年商300万円以下の事業者であること。

2.青色申告を行っている事業者であること。

 

〈青色申告に関して〉 

「所得税の青色申告承認申請書(ダウンロードはこちら)」、

「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書(ダウンロードはこちら)」という書類を提出する必要があります。

「既存ECモール、自社ウェブサイト、販売場所で会計処理は異なる?」

 


違いは「手数料」

 

自社ECモールの場合であれば販売しても手数料は掛かりませんが、既存のECモールで販売すると手数料が掛かります。

そのため、後者は入金金額=売上ではありません。売上と手数料の両建てでの計上が必要となります。

【まとめ】

 

インターネットで販売をする時の帳簿付けのポイント

  ■商品がハードでもソフトでも帳簿は同じだが、仕入れに関する項目に違いがある

  ■クラウド会計ソフトを使えば帳簿付けを簡略化できる

 

売上計上のタイミングは「発生主義」と「現金主義」で異なる

  ■ 「発生主義」の場合、入金の時期に関わらず販売した時点で計上する

  ■ 青色申告事業者の特例「現金主義」にはメリット、デメリットがある

 

既存ECモール、自社ウェブサイト、販売場所で異なる会計処理

  ■ 既存のECモールでは販売手数料が掛かり、経費として計上する際は会計処理が必要

監修

中村 太郎(なかむら たろう)

税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー・経営支援アドバイザ・経営革新等支援機関・登録政治資金監査人

1974年生まれ。個人事務所、みのり税理士法人などを経て、2011年中村太郎税理士事務所開業。中小企業を中心とした法人・個人への税務・財務指導を20年間で300社超経験。税理士として中小企業の節税コンサルティングを得意とし、中小企業の独立・起業相談や税務・財務・経理・融資・補助金等についての堅実なサポートに定評がある。

事務所名:中村太郎税理士事務所

https://www.nakamura-taro.com/


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