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ビジネスパーソン向けコラム

 

~ベストセラー『人は見た目が9割』の著者に学ぶ~

今、求められるコミュニケーションとは?

(後編)

     竹内 一郎(たけうち・いちろう)

1956年、福岡県生まれ。横浜国大卒。劇作家・演出家、比較社会文化博士。演劇集団ワンダーランド代表、さいふうめい名義で漫画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案を担当し、宝塚大学東京メディア芸術学部教授もつとめる。著書にベストセラー『人は見た目が9割』、『あなたはなぜ誤解されるのか』など。

 

 

1956年、福岡県生まれ。横浜国大卒。劇作家・演出家、比較社会文化博士。演劇集団ワンダーランド代表、さいふうめい名義で漫画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案を担当し、宝塚大学東京メディア芸術学部教授もつとめる。著書にベストセラー『人は見た目が9割』、『あなたはなぜ誤解されるのか』など。

 

 

マスクをしての会話やオンライン会議など、ビジネスシーンのコミュニケーションにも新たな悩みや課題が生まれています。

今、求められるコミュニケーションスキルとは何か?

115万部を超えるベストセラー『人は見た目が9割』の著者である竹内氏に、お話をうかがいました。

人生はRPG(ロールプレイングゲーム)

―自分がどう見えているのか、モニター以外でもわかる方法はありますか?

 

役者には演出家がダメ出しをしますが、一般の人は非言語コミュニケーションについて指摘されることがあまりないので難しいでしょうね。だったら、自分の中に専属の演出家を作り上げ、自ら自分という役(Role)を演出してみてはどうでしょうか。

 

そもそも、私たちは人生という舞台で様々な役を演じています。会社ではやり手の社員であっても家ではルーズ、昇進して注目されることもあれば家族に叱られてしょんぼりもする。その時々に与えられた役を気持ちよく演じてみるのです。役を演じるには、まずふりをする(Pretend)。例えば管理職を任されたとしたら、自分が理想とする管理職の話し方、見た目、態度をまねてみる。お手本は実在の人物でもいいですし、ドラマや映画といったフィクションでもいいでしょう。

 

まるでRPG(ロールプレイングゲーム)をするように自身を俯瞰で見て、「自分をこう動かせば、他人にこう思われるだろう」と考える、これが自己プロデュースです。この考え方は、人生で辛い思いをした時やうまくいかないと感じた時にも効果があります。「今はこういう舞台だから、こう立ち回ろう」「この役(Role)はイマイチだけど、他の役(Role)はうまくいっているから大丈夫」と冷静に客観視できて切り替えられるのです。

 

 

優秀なビジネスパーソンには共通した特徴がある

―ふりをする(Pretend)うえで何か気をつけることはありますか?

 

役者も最初はふりをすることから始めます。いろんな役を見てまねていくうちに、自然と非言語コミュニケーションスキルがついて表現のバリエーションが増えていく。理想とする役のイメージからいかに多くを受け取れるか―私たちも同じです。よく観察をして自分のカタチにしていく、そこを意識するかしないかが大きいですね。

 

私は講演会などで、多くの優秀なビジネスパーソンにお会いしてきました。高級車、化粧品、サービス…売る商材によってタイプは全然違うのですが、皆さんに共通していることが一つあります。それは相手の意図をくみ取る能力が非常に高いということ。

お客様がわざわざ言葉にしなくても、何を欲しているのかを言葉以外の情報から察して対応する。その信頼感が、ちゃんと結果になって表れているのだと感じました。

きちんと受信できるから発信もできる

―竹内さんが考えるよいコミュニケーション、とは?

 

当たり前のことですが、コミュニケーションは発信と受信の2つで成り立っています。しかし、日本の国語教育では話し方や書き方が重要視されていたため、発信力ばかりが注目される傾向にありました。受信力を高めることについてあまり語られて来なかったのです。勘のいい方は既に気づかれているかもしれませんが、この受信力こそが非言語コミュニケーションを読み解く力なのです。発信力に比べ受信力はコツコツした積み重ねで得られる地味なスキル。ですが、発信力に長けた人は必ず受信力にも長けている。優れた受信力があるから、独りよがりで誤解を生むような発信をしないのです。

 

今、コミュニケーションに悩みを抱えている人は、まずは周りをよく観察することをお勧めします。相手が言葉以外で発信する何かを受けとったら、あとは自分の役(Role)を演じてみてください。そうすれば、きっとお互いにとって気持ちのよいコミュニケーションになると思います。 (終)