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ビジネスパーソン向けコラム

 

 

 

~渋沢栄一の言葉に学ぶ~
明るい未来のための投資とは
(前編)

 

渋澤 健(しぶさわ・けん)

1961年、神奈川県生まれ。シブサワ・アンド・カンパニー(株)代表取締役、コモンズ投信(株)取締役会長・創業者。UCLAでMBA取得後、米ヘッジファンドの日本代表などを経て2001年に独立し、シブサワ・アンド・カンパニー(株)を創業。著書に『渋沢栄一100の訓言』、『SDGs投資 資産運用しながら社会貢献』など。

 

 

 

 

~渋沢栄一の言葉に学ぶ~
明るい未来のための投資とは(前編)

 

 

 

 

 

 

渋澤 健(しぶさわ・けん)

1961年、神奈川県生まれ。シブサワ・アンド・カンパニー(株)代表取締役、コモンズ投信(株)取締役会長・創業者。UCLAでMBA取得後、米ヘッジファンドの日本代表などを経て2001年に独立し、シブサワ・アンド・カンパニー(株)を創業。著書に『渋沢栄一100の訓言』、『SDGs投資 資産運用しながら社会貢献』など。

 

将来の予測が困難な今、「人生100年時代」を生きる私たち。どのように明るい未来のために備えるべきなのでしょうか。
「日本の資本主義の父」といわれ、新しい一万円札の顔となる実業家・渋沢栄一氏の玄孫で、ご自身も金融のスペシャリストである
渋澤健氏に、お金のことや未来へのリスクヘッジについて話をうかがいました。

将来の予測が困難な今、「人生100年時代」を生きる私たち。どのように明るい未来のために備えるべきなのでしょうか。
「日本の資本主義の父」といわれ、新しい一万円札の顔となる実業家・渋沢栄一氏の玄孫で、ご自身も金融のスペシャリストである渋澤健氏に、お金のことや未来へのリスクヘッジについて話をうかがいました。

時代が大きく変化するときに求められる財産

―渋沢栄一氏の功績について、ドラマ等であらためて知った方も多いと思います。5代目子孫であるご自身は幼い頃からその影響はあったのでしょうか?

 

渋沢栄一は約500社の会社を作ったと言われていますが、子孫にはまったく財産を残しませんでした。私は孫の孫にあたりますが一株も残っていません。でも実は素晴らしい財産を残してくれていて、それは何かというと“言葉”なんです。といっても、私が渋沢栄一の『論語と算盤』を本格的に読みだしたのは40歳くらいで、それまであまり意識していませんでした。きっかけは2001年に自分の会社を立ち上げ、同じ頃に子どもが出来たことですね。「10年後、20年後はどうなっているのか…」そんな時間軸で考えるようになったからです。

 

あらためて『論語と算盤』を読んでみると、「こうすれば、もっと良くなるのに!」といった具合に、彼は非常に怒っているんです。まったく現状に満足していない、未来志向から生まれる怒り。これは今の時代の文脈に変換しても、とても腑に落ちることに気づきました。江戸・明治・大正・昭和と日本の激動の時代に功績を遺した彼が、そのとき何を考え、どう行動したのか、そして変わらなかったものは何か。大きな変化のあった2020年の経験から、今また時代が彼を求めているのだと感じています。

 

 

《と》があらわす渋沢栄一の精神

―100年後の私たちに遺された財産は言葉なのですね。たくさん珠玉の言葉がありますが、もし好きなものを一つ選ぶとしたら何でしょう?

これは難しい質問ですね!何しろ沢山の関連本が出版されていますし、その時々で響く言葉も違ってきますから……。でも最近、渋沢栄一の精神をあらわしている言葉は《と》ではないかと思っています。ものすごく短いですけど(笑)。たとえば、『論語と算盤』の《と》は一見繋がらないものを繋げている。論語という理想も大事だし、算盤という実利も大事。つまり、《and》の《と》なんです。二者択一の《or》の《か》でないことがポイントで、効率よりも可能性を大切にしています。これはイノベーションを生み出す際に必要な、組み合わせ・掛け合わせの考え方です。

 

今はまだ現実化するのが困難なものを、「こういうの、見てみたいよね!」と理想と現実を繋げるのも、《と》の力だと思っています。たとえば、人口減少が加速する日本社会には衰退のイメージがあるかもしれないけど、世界人口の多くはまだ驚くほど若いのです。成熟した日本には彼らと一緒に、《と》の力で理想を現実にしていくチャンスがあるのではないでしょうか。

お金の使い方はMeが転じてWeになる

―明るい未来のためには「お金」も必要ですよね。とはいえ、どうアクションすれば良いか迷われている方も多いのではないでしょうか。

 

『論語と算盤』には「よく集め、よく散ぜよ」という言葉があります。私たちは「どうやってお金を稼ぐか・殖やすか」という手段ばかりに目が行きがちですが、「どのようにお金を使うか」という「よく散ぜよ」は出来ていないように感じます。実はお金は使うことによって初めてその価値を発揮するものなのです。

 

では、どういった時にお金を使うかイメージしてみましょう。まず自分の欲しいものがあったとき、それが高価だった場合は貯金をして買いますよね。これらは私(Me)の軸で使われるお金の使い方です。もうひとつ、まったく違う使い方もあります。Me のMを180度ひっくり返してみてください。Weという文字に変わりますよね。Weは私たちの生きる社会です。今回のパンデミックで、社会(We)が止まってしまったら私(Me)は何もできなくなることに気づいた方も多いと思います。Weが豊かに回っているからMeも輝いていられるのです。Me軸も大事ですが、他者をサポートするWe軸の方がよりよくお金が循環するのです。そして、このWeの力を最大限に引き出すものに、投資があると考えています。