法人向け加盟店のご紹介 記事4

制度構築とDXで実現

生産性に直結する人事評価

株式会社あしたのチーム

代表取締役社長 CEO

赤羽 博行 氏

ビジネスの成長に直結する、優秀な人材確保。継続的に勤務してもらうためには、正当な人事評価が欠かせません。社員の納得感が得られて、組織全体の生産性を上げる人事評価システムとはどのようなものなのか?株式会社あしたのチーム代表取締役社長CEO赤羽博行氏にお話を伺いました。

- あしたのチームが提供する、人事評価サービスの概要について教えてください。

 

「あしたのクラウド」という人事評価システムを提供しています。各社員の目標設定、上司による評価、給与査定・通知など一連のワークフローをクラウド上でおこなうことにより、データを保管・活用することができるサービスです。

じつは人事領域というのとは、デジタル化がもっとも遅れていた分野のひとつなんです。勤怠管理や給与計算に関してはツールがいくつも存在したのに、人事評価となると各社員が目標を入力したエクセル資料を出力し、上司と面談。その後きちんとした管理がなされていないことが多かったんです。

でもその資料には、社員の目標設定、達成のための具体的な取り組み・結果、それに対する上司のフィードバックといった、極めて重要な情報が詰まっている。これらの情報がどこにもストックされていないというのは、企業にとって非常に大きな損失にほかなりません。人事データを継続的に管理し、人財育成に役立てていただくために開発したのが「あしたのクラウド」です。

- 「あしたのクラウド」は、いつサービスを開始したのですか?

 

2009年のリリースです。ただ、最初から好意的に受け入れられたかというとなかなか難しかった。というのも、当時はまだまだ「社員評価資料は紙」という文化が根強くありましたし、人事情報をクラウドにのせる、つまり外部に出すということに拒否反応を示す方も多かったんです。

それでも、導入を決めてくださった企業さんもいました。でも、出てくる要望は「『あしたのクラウド』を、うちの人事評価システムに合わせてカスタマイズしてほしい」というものばかり。これでは、せっかく開発したはずの共通システムが活用されず、各社向けのオーダーメイドになってしまっている、そう気づいたんです。でも、それには理由があった。当時の取引先企業は、すでに社内で独自の人事評価制度をお持ちの比較的規模の大きな組織ばかりだったんです。となれば、既存制度に合わせてシステムのほうをカスタマイズしてくれ、と言われるのは当然ですよね。

- その後中小企業向けには、どのような提案をされたのでしょうか?

 

日本では、中小企業が占める割合は全法人の実に約99.7%。そのうちの7割ほどは、人事専任スタッフを配置することも難しいことから、評価制度自体がない。評価制度のない企業に「人事クラウドを使いませんか?」と提案しても、当然難しいですよね。ですが、実際は社員を正当に評価して、給料を上げていきたいという志の高い経営者さんがたくさんいらっしゃる。であれば、単にクラウドを売り込むのではなく、経営者の皆さんと一緒に評価制度を構築することから始めようと、本格的にコンサルティング業務をスタートしました。評価って、結局はすべて社員の納得感にかかっている。どんなに努力しても毎年同じ額しか昇給しなかったり、手を抜いている社員と同じ給料だったりしたら、やる気をなくしてしまうのは当然ですよね。そこを整えてあげるのが、人事の仕組みづくりなんです。

- どうすれば、社員に納得感をもってもらえるのでしょうか?

 

社員が納得しない一番の理由って、属人的な好き嫌いがでてしまう「感覚評価」になりがちな点にあることが多いんです。あからさまなえこひいきとまではいかなくても、人間が評価をしている以上、そこにはどうしてもそれぞれ特徴や傾向が出てしまう。でもこれって、上司と部下、一対一のブラックボックスにしてしまうから発生するのであって、相対的に見れば把握できる場合が多いんです。たとえば、成果が出ていないのにやたら評価が高くなっていないか、その逆はないか。あしたのクラウドでは、それを調整する「甘辛分析」という機能を備えています。

ほかにも期初に各社員が目標設定をする際に、それをシステムが自動添削する機能があります。たとえば、すごく低い目標を設定しておいて、それをクリアしたことで評価が上がってはおかしいですよね。評価の前にまず目標設定が適性かどうかというのがものすごく重要なんです。

- 目標をシステムが自動添削することに対して、社員の反発はありませんか?

 

もし最終評価自体をシステムが自動で行うとなったら、確かに反発は出てくると思います。現に、ABCなどのランク付けをAIが決めるシステムを導入したある企業では、社内でかなり揉めたという話がある。でも、目標の添削というのは、あくまで「こうしたらどうでしょう?」という提案ベースなので、本人にとっては気づきのひとつになるんです。これまで当社が蓄積してきたデータからアルゴリズムを機械学習させた精度の高い自動添削は、導入企業から高い評価を得ています。正当に評価してもらって、それが給与に反映されたとなれば、一人ひとりの生産性は上がる。そしてそれは、最終的に会社の業績にも直結してくるんです。

- 導入企業でどのような変化があったか、事例があれば教えてください。

 

沖縄で家具や建具の製作を手がける、従業員数20名弱のクライアントさんがいました。3代目である現在の社長が2013年に会社を引き継いだ際には、じつに1億円近い累積損失が。しかしこれを約4年かけて一掃。次は社内基盤を固めようと、人事分野の整備に取りかかりました。 

あしたのクラウドを導入する際には、社内で反発もあった。人事制度にお金をかけるくらいなら、その分社員への報酬に還元したほうがいいという意見も出たそうです。でも、それまでこの会社は時給制を採用しており、体系的な賃金制度がなかった。実際問題として、給与や昇給について不満を抱える社員が多かったんです。いざ評価制度を導入して運用してみると、社員の意識ががらりと変わった。目標に向けての行動や成果がきちんと評価されれば昇給する、という成功体験を経て、社員みんなが自主的に行動するようになったんです。「会社が変革しようとしている」という取り組みに対しての期待値も高まり、結果として生産性も大きくアップしました。

- 近年の人事評価におけるトレンドはどのようなものがありますか?

 

ここ数年で非常に問い合わせが増えたのが、テレワーク中心となって会えない社員をいかに評価すればいいかという内容。さらに、ジョブ型雇用といわれる、専門スキルをもった人材の採用が増えたことで、彼らに対する評価方法について悩む経営者の方も多いです。そういった流れにおいては、人事担当者の独断に拠らない、我々の評価支援サービスの需要がこれまで以上に高まっているように思います。 

さらにいうと、物理的に社員同士が離れている状況が増えた中で、人事評価分野のみに限らない社員のコミュニケーションや社内情報の共有ということも、より大きな課題になりつつあります。「あしたのクラウド」では、社員がどんな趣味、特技をもっていて、何を考えているのかなどのさまざまな情報も登録・閲覧できる仕組みになっています。どんな情報を登録するかは、事前に用意された約1,000にものぼる項目の中から選んでいただけます。もちろん、人事評価に関するフィードにはアクセス制限をかけながら、そうした社員情報を一元管理できるシステムなんです。

 

ツールの導入だけでは解決できない人事の総合的なコンサルティングを含めて、約3,500社を支援してきた当社にぜひ一度ご相談ください。

株式会社あしたのチーム
代表取締役社長 CEO
赤羽 博行

 

1974年、千葉県松戸市生まれ。大学卒業後、株式会社オービックビジネスコンサルタントにて財務・管理会計を中心に基幹系システムの開発、ソリューション提案、導入コンサルティングを担当。その後、スカイライトコンサルティング株式会社に入社。ディレクターとして多岐に渡るコンサルティング実績をもつ。あしたのチーム設立直後の2009年から社外取締役として参画し、2020年より現職。

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株式会社あしたのチーム

あしたのチームは、テレワークに最適なジョブ型制度の設計をはじめ、人事専任の担当がいない会社にも対応した⼈事評価制度の構築から⾒直し・運⽤⽀援で組織の成長と人材育成を支援しています。人事業務をクラウド上で管理することにより、業務の効率化とデータの見える化も実現します。 


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