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時代を読む、未来を開く 
ーニューノーマル時代のビジネスを生き抜くヒントー

 

 

 

 

経営評論家 坂口孝則氏コラム 

国際ジャーナリスト モーリー・ロバートソン氏コラム
 「2021年を予測する3つのキーワード」

 

モーリー・ロバートソン

2021年に注目すべきキーワード 

世界中が突如大きな試練にさらされた2020年。その状況は未だ解決されていませんが、我々もただ茫然と1年を過ごしてきたわけではありません。ニューノーマルという新しい環境下で、様々な試行錯誤を重ねて迎える2021年です。ハンコやリモートワークなど、なかなか変えることが難しかったものが意外とあっさり変えられていることに、もっと自信を持っていいと思います。では、来たるこの一年はどういう年になるのでしょうか。僕はそれを紐解くキーワードが3つあると考えています。1つめは「環境」。近年多発する自然災害など外的環境についてです。2つめは「健康」。人間の内的環境と言えるかもしれません。3つめは「DIY」。Do It Yourself(自分でやる)の略ですが、精神的豊かさや社会性に大きく関与すると思っています。

 

 

「環境」「健康」「DIY」

ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若者たちは、「環境」に高い関心を持っています。頻発する山火事や洪水といった自然災害が、経済優先のライフスタイルを行ってきた前世代からのツケだと思っている。だから多国間協議で先行きの見えなくなったパリ協定ではなく、炭素税やSDGsといった自分流のアプローチで問題解決しようとしているのです。そして、「環境」に大きく関与するのが「食」です。たとえば、中国では “光盤行動”という指示が発令されました。内容はフードロス禁止令ですが、その背景から世界の現状が透けて見えます。パンデミックの影響で海外依存の穀物や飼料が入らなくなれば、その食への影響は甚大です。加えて気候変動などがあれば簡単に食糧不足に陥ってしまう。そこには粗悪な食による「健康」被害の危険性がはらんでいます。

 

 

よりスモールに、より強くつながって

自粛期間中に裁縫や料理、家庭菜園といった様々な「DIY」に目覚めたという人も多いのではないでしょうか。もちろん、僕もその一人です。自分でモノを作ることは自己達成感だけでなく、SNSのコミュニティでノウハウや成果をシェアしあえば、社会的つながりによる精神的豊かさも得られます。パンデミック前から若い世代を中心にモノを買わない傾向がありましたが、「DIY」がもたらす幸福感によって、さらにこの潮流は加速するでしょう。いわゆる、コト消費やシェアリングエコノミーが成長し、所有という物欲はますます収縮していくはず。2021年は「環境」「健康」「DIY」を軸に、価値観はマスからスモールへと多様化し、デジタルという巨大なトラフィックの中で、各々が強いつながりを作っていく年になる。そう僕は予想しています。

 

 

モーリー・ロバートソン

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多彩な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時に合格。1988年ハーバード大学卒業。「情熱大陸」でフィーチャーされる。現在、NHK総合「所さん大変ですよ!」日本テレビ「スッキリ」等の番組レギュラー出演するなど、多種メディアでも活躍中。