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偉人たちの言葉が示す、明日のビジネスの道しるべ

 

 

 

 

偉人たちの言葉
モーリー・ロバートソン

産業革命以降ずっと続くツケ

 

フランシス・ベーコンのいた17世紀は自然に対し、圧倒的驚異を感じていた時代でした。人がそれを管理しなければという意味で「征服せよ」と言っていると思います。産業革命以降、人は自然とどう向き合うべきかという問題について資本主義の下、ずっと先延ばしにしてきました。そのツケが今も続いているのです。乱暴な言い方ですが、温暖化問題などは人間が自然に関与した結果、その影響下にあっているだけのこと。例え人間がそれによって全ていなくなったとしても、自然そのものは何にも問題ないのですから。そもそも人間は自然の中の1プレイヤーにすぎないのです。

 

 

環境問題が顕在化した理由

 

80年代頃に出てきた環境問題ですが、ごく一部の活動家の主張と捉えられていました。起きている不都合を隠す社会の体質や、そこに伴うメディアの取り上げが最小限だったからです。当時は現実と向き合わなくても何とかなったのです。その後、私達をとりまく環境は大きく変わりました。グローバル経済がもたらした歪みや、遠く離れた国の出来事が当事者のSNSを通し拡散されるようになり、以前は知らぬ存ぜぬで通っていた不都合が白日のもとに晒されるようになったのです。CSR(企業の社会的責任)を社会貢献レベルのイメージアップと捉え後手で進めている企業があるとしたら、今後は間違いなく痛い目を見ることになるでしょう。むしろリスクヘッジや企業戦略と捉えるのがグローバルスタンダードなのです。

 

 

 

「性悪説」で自然と向き合う

 

これまで経済最優先で先送りしてきた自然への配慮。今はその長い夏休みの宿題にようやく手をつけ始めたといった所でしょうか。とはいえ地球規模のスケールの話なので、実際何を指標にすればよいのか戸惑うことでしょう。私が指針として思っているのは「性悪説」です。よくビジネスの話で引用されたりもしますが、まずは自分の至らなさを知る。自分達の楽のために遠くの誰かがその迷惑を被っているという現実から目を背けない。また、これまで宿題を溜め込んできた人達を批判するのではなく、自分だってそうするだろうと理解する。だからこそ、自分で努力して変えなければ善の行いを成し遂げられないというロジックで自然と向き合っていくしかないと思っています。

 

 

 

モーリー・ロバートソン

 

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多彩な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時に合格。1988年ハーバード大学卒業。「情熱大陸」でフィーチャーされる。現在、NHK総合「所さん大変ですよ!」日本テレビ「スッキリ」等の番組レギュラー出演するなど、多種メディアでも活躍中。