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偉人たちの言葉が示す、明日のビジネスの道しるべ

 

 

 

 

偉人たちの言葉
モーリー・ロバートソン

日米における危機管理の違い

現在の各国の対応を見ても分かるように、危機管理にはとても国民性が出ます。たとえばアメリカには、“When the going gets tough, the tough get going.(困難なときこそタフな人間が活躍する)”という諺があるくらい、基本的に弱肉強食的な「来るなら来い!」といった捉え方をします。いっぽう日本は自然災害も多い国なので、心配性で人に迷惑をかけたくないという思いから、いろいろと逡巡する傾向があります。今回のような長期にわたる危機には複合的戦略が必要になってくるでしょう。アメリカ的な恐れに打ち勝つ精神も大事ですし、日本的な細かい検証も欠かせません。さらに付け加えるなら、万国共通でリバウンド(抑圧からの衝動)と上手く付き合うことも重要になってくるでしょう。

 

 

今とつながるパンデミック後の世界

本来のリスクマネジメントとは、起こりうる危機に備えておくためのもので、今ある危機をマネージすることではありません。目の前にある危機も必ず終わりを迎え、未曾有の経験となってその後の世界に大きな変化をもたらすでしょう。この渦中における国や企業、個々人の言動はシビアに記憶され、後の評価や関係性に大きな影響を及ぼします。火事場泥棒のごとく“善き隣人”を装って利己的な行いをする者、過去の失敗から学んだ経験をもとに利他的行いをする者、今はそんな玉石混交の行いが寄る辺ない不安感の中にあります。だから私たちは嗅覚を研ぎ澄まし、正しく判断することが必要です。しっかりとその後の世界を見据え、無力感に襲われたり近視眼的になったりしてはいけません。

 

 

グローバリゼーションの大規模修正

恐らく一時的ですがレイオフなどの事案は避けられないと思います。短期的なベネフィットのために生じていたグローバリゼーションの大きな歪み、それを軌道修正することになるからです。これからは中長期的でサスティナブルな視点にたたないと世界が破綻してしまいます。これまでのロスを切り離すような危機管理では誰も幸せになれないし、企業もまた生き残れない。具体的にいうと、まずは社内の賃金格差をなくして弾力ある組織を作る。すると団結心が生まれ生産性もあがる。決定権も水平化して風通しを図り、そして環境にも配慮する。こういったロングタームのリスクマネジメントが出来る企業は必ず生き残ります。ポイントはフェアで納得できる協調関係と相互扶助。これが新しい資本主義のモデルになるんじゃないかな。

 

 

モーリー・ロバートソン

 

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多彩な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時に合格。1988年ハーバード大学卒業。「情熱大陸」でフィーチャーされる。現在、NHK総合「所さん大変ですよ!」日本テレビ「スッキリ」等の番組レギュラー出演するなど、多種メディアでも活躍中。