偉人たちの言葉が示す、明日のビジネスの道しるべ

 

 

 

 

偉人たちの言葉
モーリー・ロバートソン

何に一番時間を使うべきか

リンカーンは「最初の“斧を研ぐ”ことに多くの時間を費やすことが大事」と言っているけれど、この“斧”がキーワードだと思う。それが何を意味しているのか、今の我々にとって一体何にあたるのか…

 

 

展開が見えない時代のコンパス

ちなみに今、アメリカでは一部白人至上主義の影響から、リンカーンの奴隷解放制についても160年をさかのぼり様々な観点から議論されています。だから、彼の評価も賛否両論。でもこれはアメリカに限ったことではなくて、今あらゆる国が抱える歴史の捉え方が流動化しているのと同じです。昔のように絶対的権威というものがなくなって、人々はサーバー上の数字の乱高下だけを不安と疑心で眺めている。国と国の境が曖昧になって、誰も5年先がどうなっているのか想像もつかない時代に突入しているのですね。

例えば、80年代のアメリカはいろんなスピリチュアルブームがあった時代で(僕も当時はいろいろ経験しましたけど…)、これからまたリバイバルしていくのではないでしょうか。安心を得るためのコミュニティに浸かっていると、なかなかその中の違和感に気づきにくいし、たとえ内部告発などでそのコミュニティに裏切られたとしても、また別の自己啓発となる帰依先を探したり、多くの人がそうなるのではないかな。

 

 

“自分の斧を研ぐ”ことに費やす

そんな社会的コンセンサスが喪失している中、組織のマニュアルに順応したところで誰も助けてはくれないし、そもそも事実が違います。そうなると自分の中に軸を持つことがいかに大事かわかるでしょう。僕はそれがリンカーンの言う“斧”だと思うのです。自分が経験することでのみ得られるパターンや回復力、場数と場慣れによって身につく自分だけの知恵、それが“斧”。さらに付け加えるとしたら“いい斧の素材”を見つけることに時間を費やすのも大切かな。過去の知恵にすがりつくのでは適わない不確実な時代に、どこまで冷静に客観視できるかが重要になってくるでしょう。“自分の斧を研ぐ”人だけが上手に不安と付き合って、生き残っていくのだと思います。

 

 

モーリー・ロバートソン

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多彩な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時に合格。1988年ハーバード大学卒業。「情熱大陸」でフィーチャーされる。現在、NHK総合「所さん大変ですよ!」日本テレビ「スッキリ」等の番組レギュラー出演するなど、多種メディアでも活躍中。