航空会社では、飛行機の利用などに応じて独自のポイントが貯まる「マイレージ」と呼ばれるプログラムを用意しています。このプログラムで獲得できるポイントが「マイル」。マイルは、飛行機の利用や提携ショップなどでの支払いをはじめ、対象サービスを利用することで獲得できます。

マイルを貯める・使うには、あらかじめ航空会社別のマイレージプログラムへの会員登録が必要。マイレージ会員として飛行機を利用すると、搭乗距離とチケットの種類による積算率に応じてマイルが加算されます。さらに、クレジットカードの種類によっては、利用額に応じてマイルを獲得できる場合もあります。

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・法人カードでマイルは貯められるか

法人カードも、利用額に応じてマイルを獲得できるカードがあります。ほかにも、カード会社のポイントを提携航空会社のマイルに移行することが可能な場合も。

ビジネスでは、広告費、オフィスの光熱費や通信費などの固定費、法人税など、個人よりも大きな支払いが発生する場合があります。法人カードは利用金額が大きい分、結果としてマイルやポイントが貯まりやすくなるでしょう。マイルを上手に活用すれば、出張費の節約などにつなげることも可能です。

従業員向けに発行した追加カードでも、利用額に応じてマイルやポイントを獲得できるのが一般的です。追加カードの利用額に応じたマイルやポイントは、一般的に基本カードに集約されます。

▼法人カードについてはこちらの記事でも解説しています

法人カード（ビジネス・カード）とは？種類や作るメリットをわかりやすく解説

マイルの貯めやすさで法人カードを選ぶにあたり、確認しておきたい点を紹介します。

・よく使用する航空会社のマイルを貯められる・使えるか

出張などで特定の航空会社を利用することが多いなら、利用頻度の高い航空会社のマイルを貯められるかが重要。法人カードのポイントをマイルに交換する場合も、カード会社が提携している航空会社を確認しておくことも大切です。ポイントからマイルに交換する場合の交換率などは、カード会社や航空会社ごとに異なるため、効率良く希望の航空会社のマイルに交換できるかも確認しておきましょう。

・貯まったマイルを活用する方法

貯めたマイルの活用方法はさまざま。代表的な活用方法は、「特典航空券との交換」や「上位クラス座席へのアップグレード」などです。ほかにも、航空会社の関連サービス（ホテルやレンタカーなど）の利用割引などに活用できる場合もあります。

・マイルの貯め方・使い方だけでなく、付帯特典もチェック

クレジットカードに付帯している特典を活用できるのは、法人カードに入会する大きな魅力のひとつ。法人カードを選ぶなら、マイルやポイントの獲得だけでなく、どのような付帯特典を利用できるかのチェックも不可欠です。

たとえば無料で利用できる空港ラウンジサービス、国内・海外旅行傷害保険などの付帯サービスは、出張時に活用でき、出張の旅に旅行傷害保険に加入する手間を省けます。カードの種類によっては、提携ホテルでアーリーチェックイン・レイトチェックアウトなどの優待を受けられる場合も。手厚い特典が付帯していることで、結果的に大きなメリットを享受できるでしょう。

アメリカン・エキスプレス（アメックス）では法人カードを「ビジネス・カード」と呼び、3種類のビジネス・カードあります。

• アメリカン・エキスプレス^® ・ビジネス・プラチナ・カード
• アメリカン・エキスプレス^® ・ビジネス・ゴールド・カード
• アメリカン・エキスプレス^® ・ビジネス・グリーン・カード

参考：アメリカン・エキスプレス「ビジネス・カード」

アメックスのビジネス・カードでは、100円のカード利用ごとに1ポイントを獲得でき（ポイント加算対象外または200円＝1ポイントの場合もあります）、ポイントプログラム「メンバーシップ・リワード^® 」で貯めたポイントを提携する14社の航空会社マイルに交換可能。航空会社を柔軟に選べるため、行先や出発時間を優先した旅程を組めるのが魅力です。

参考：アメリカン・エキスプレス「マイルへ移行」

・提携航空会社マイルへのポイント移行レート

• ANAマイレージクラブ2,000 ポイント＝1,000 マイル
• JALマイレージバンク3,000 ポイント＝1,000 マイル
• その他、世界の主要航空会社12社2,000 ポイント＝1,000 マイル

さらに、「メンバーシップ・リワード・プラス（年間参加費 3,300円［税込］、2年目以降は自動更新、ビジネス・プラチナ・カードは年間参加費無料）」に登録すると、ポイントからマイルに移行する際のレートが上がり、より効率的にポイントを活用することができます。

・メンバーシップ・リワード・プラスに登録後

• ANAマイレージクラブ1,000 ポイント＝1,000 マイル
• JALマイレージバンク2,500 ポイント＝1,000 マイル
• その他、世界の主要航空会社12社1,250 ポイント＝1,000 マイル

メンバーシップ・リワード・プラスでは、効率的にポイントを活用するだけでなく、対象加盟店での利用100円＝3ポイント（通常ポイント1ポイント＋ボーナスポイント2ポイント）になるボーナスポイントプログラムに登録可能（年度ごとのボーナスポイントの上限は10万ポイント）。効率的にポイントを獲得する・使うために、役立ってくれるプログラムです。

参考：アメリカン・エキスプレス「メンバーシップ・リワード」

参考：アメリカン・エキスプレス「メンバーシップ・リワード・プラス」

アメックスのビジネス・カードは、ビジネスシーンで活躍してくれる付帯特典も充実しています。ビジネス・ゴールド・カードを例に、付帯特典の一例を紹介します。

• 国内外の対象空港ラウンジの無料利用
• Seibu Prince Global Rewardsのゴールドメンバー資格
• 最高1億円の手厚い旅行傷害保険
• 国内航空機遅延費用などの補償

※上記は概要の記載です。

※補償内容の詳細については補償規定をご確認ください。

ビジネス・プラチナ・カードの場合は、さらに付帯特典が拡充します。たとえば海外渡航時は、日本の季節を感じられる特別な食事やオリジナルカクテルが提供され、ワークスペースなどが充実した羽田空港のセンチュリオン・ラウンジも無料で利用可能。ホテルグループの上級会員資格は、Seibu Prince Global Rewardsを含む4グループに拡大します。

▼出張時に法人カードを活用するメリットはこちらの記事でも紹介しています

国内出張で活躍するクレジットカードとは？法人カードのメリットとポイントを解説

▼空港ラウンジについてはこちらの記事でも解説しています

空港ラウンジとは？種類ごとの特長や利用条件、使い方を解説

会社で契約した法人カードを使って得られたマイルやポイントの所有権は、原則として会社にあります。

マイルを活用して出張時の旅費交通費に充てた場合、会計処理方法はいくつかパターンがあり、どの処理方法を採用するかは会社により異なります。そのため、どのような処理方法が自社に適しているかなど、税理士などのプロに相談するのが良いでしょう。加えて、一度決めた処理方法は変更しないことが重要です。

▼ポイントを利用した場合の会計処理方法はこちらの記事で解説しています

法人カードでポイントは貯まる？会計処理方法や利用例を解説

法人カードで獲得したマイルの貯め方・使い方には、注意点もあります。

・マイルの有効期限

一般的にマイルには有効期限があり、期限が過ぎたマイルは消滅します。有効期限は航空会社ごとに異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。たとえばANA（全日空）の場合は商品・サービスを利用した月の36カ月後の月末まで、JAL（日本航空）の場合は搭乗してから36カ月後です。キャンペーンなどで獲得したマイルは有効期限がこの限りではないこともあるので、会員ページなどで確認しましょう。

・マイルの扱いは社内規定で明確にする

法人カードで貯めたマイルは誰がどのように利用するのか、会計処理方法など、マイルの扱いはあらかじめ社内規定で明確にしておきましょう。

たとえば、マイルは出張時の特典航空券の交換にのみ使用し、座席のアップグレードなどには使用しない、マイル利用時の会計処理方法などです。分かりやすくルール化しておきましょう。

・ポイントからマイルへの交換条件を確認

ポイントからマイルへの交換には、航空会社ごとに条件が異なります。たとえば、交換できる最小ポイントや上限ポイントに制限がある、交換完了までに一定の処理日数がかかるなどです。法人カードの種類によっては、交換手数料が必要になったり、年間の交換回数や移行できるマイルの上限が決められている場合もあります。

これらの条件は移行手続きをする前に確認しておきましょう。ポイントをマイルに交換する前に、利用したい航空会社へのマイレージ会員登録も必要です。

法人カードの利用で獲得したマイルやポイントは経費削減の一助になるなど、利用価値も高く、ぜひ有効活用したいもの。さらに付帯サービスが充実しているカードなら、ビジネスの成長にも貢献してくれるため、法人カードの有用性も高まるでしょう。

獲得したマイルを利用する際はルールを明確にし、上手にビジネスに役立てましょう。